どうして引取りサービスが有料化しているのか?考察してみた
自転車やバイクの修理依頼を受けた時に動かないので引取りをお願いされるケースが多々あります。

その中でよくある課題として引取り料金の問題があります。ケースによってまちまちですが、「無償でないの?」「そんなにするの?」と言われることが多いです。
昔はそうじゃなかったのにと言われることもあり、私なりにどうして有料になってきているか考えてみました。
自転車やバイクの修理依頼を受けた時に動かないので引取りをお願いされるケースが多々あります。
その中でよくある課題として引取り料金の問題があります。ケースによってまちまちですが、「無償でないの?」「そんなにするの?」と言われることが多いです。
昔はそうじゃなかったのにと言われることもあり、私なりにどうして有料になってきているか考えてみました。
修理の故障探求のとき、成否を分ける能力が
「症状を正しく感じとる力」です。
これが欠けては故障探求の質は落ちてしまいます。
例えばこのハイゼットさんの場合、入庫理由は坂道で力がないでした。
試乗してみると確かに登りになると失速します。
文字にすると「失速」ですが、どんな失速なのか正しく感じとる力が必要となります。
アクセルを踏み込んでも?
どのギア位置でも?
加速つけてさしかかっても?
などなどシチュエーションを絞り込み、そしてどんな失速かを感じとります。
そうして体験した自分の引き出しから、一番近いフィーリングをチョイスするんです。
この引き出しに関してはうんと若い頃にイロイロな失敗をしてる数がモノを言います(笑)
その引き出しも安直にを開けるでなく、出来るだけデータ録り、出現条件の絞り込みをします。
そこまでして正しく感じとることができるかなと思います。
ここまで来れば負荷がかかったっときの点火系の失火だと予測できますから、後は検証していくのみです。
案の定、デスビのセンターコードが中で腐食して電流がリークしていました。
好みや相性の問題もありますが、
修理で納得いかない、原因が分からず再修理になるなどで困っている人は整備士さん選びの参考にしてみてください。
失敗は誰しもあるし、バッチリ一発というのは難しいケースもあります。
どういう風に考えてその答えなのかを論理的に分かりやすく説明ができる人は信用してもいいですが、
それができない人は要注意だと思いますよ。
竜輔
今朝のNHKを見てたらチコちゃんで数学の勉強をする必要性はなぜ?ってネタでやってました。
何でも論理的な思考を学習するためと言ってましたが、なるほど納得です。
数学、点数はとれませんでしたが、好きだった問題が「証明問題」。
あの理屈を道筋立てて伝えることが好きで、それが今の故障探求にも生きてるなーと実感しておりました。
今の車はもちろん、バイクも電子制御が基本でしてアナログな制御ってのは少なくなってます。
なのでなおのこと論理的な思考で故障探求をしていくことが求められます。
例えばスキャンツールと言われる機会を使えば運が良ければこんな結果が出てきます。
で、この結果が出たからって安直に温度センサーを交換したらダメ野郎です。
なぜ、そのエラコードが出たのか?
ってことを追い求めないと、失敗するんですよね。
今回の場合もセンサー故障の原因がありまして、ただセンサーを交換してたら新品つけて数分でNGになっていたところでした。
アナログな時代であれば自然と結果にたどり着くまでに試行錯誤していた場合が多かったのですが、
今は自分でしようと思って試行錯誤しないと本当の意味での修理ができない時代だなっと思います。
機械への修理だけじゃなく、なんか世の中的にもそう思います。
安直に求めること、楽しいと思わされることがパッケージとして分かりやすい結果で提供されているがゆえに、
楽しいと思されるパッケージを疑わず、自分で考えず、作り出せなくなってしまい、
楽しいと思える自分の気持ちと向き合う人が減ってきてるような気がします。
人間が持ってる思考する、想像するイマジネーションの力と、大変だけど向き合ってほしいなと思います。
その先に、「自分が楽しいと」と思える生き方と出会えるはずです。
竜輔
ホンダ CBR400F を中古新規車検で作業させてもらいました。
ご自身たちでレストアされたそうで、好きでないとなかなか出来ないことです。
それだけ愛せるバイクと出会えていることは素晴らしいし、この子も幸せだなと思いました。
さて、今回は車検点検修理の時に考えてることについて書いてみようかと思います。
普段使ってる動いてたバイクを車検するのであればあまり考えることはないのですが、
最近ちょこちょこ増えてきたご依頼の内容で
「自分でエンジンや車体をレストア(修理)したので心配だから、車検も含めてみてください」
ということを言われることがあります。
これ、なかなか難しいご依頼の内容だったりします。
薪割りの機械を使われてるお得意先より入電、なんとかならんかとのことです。
エンジンついて動くヤツ、タイヤがついてて動くヤツ、そんな機械をご依頼してくれます。
「何でもやるんだね、他はやってくれないのに」
とよく聞かれることがあります。
そのたんびに回答してるのは「ヤル気」の問題だと言っています。
例えば料理のプロがいて、流石に洋食に特化したプロと寸分違わないクオリティで提供するのは難しいとは思います。
けど同じ料理のプロとして時間はかかるかもしれませんが、勉強すれば素人がするよりは美味しい料理が作れるはずです。
じゃあなぜしないのか?
単純に同じ客数であれば、同じジャンル、同じことを繰り返すほうが効率よく稼げるようになるし、極めようとすると時間がかかるからだと思ってます。
こういった機械も同じようなもんだと思っていて、私は薪割り機の修理のプロではないけど機械という分野の修理をするプロです。
本当は自分の得意な分野だけやってるほうが効率よく稼げるのでしょうが、いかんせん飽き性なので(笑)
ついついこういった仕事も楽しく引き受けてしまいます。
目指すべきは街の定食屋、居酒屋のようなお店かもしれません。
今回のトラブルは駆動ベルトの磨耗でスリップが発生して起きていました。
普通のvベルトでしたので、自動車用のベルトを流用して修理しました。
何せメーカーから正規ルートで取り寄せると1週間以上かかるとの回答だったので…
こうやって修理が出きて実際に使ってもらえると嬉しくなりますね。
竜輔
震災から今年で9年目、忘れられない思いとして、今日のこの日に再度こちらのブログにもアップしておきます。
これは2011/04/30に岩手県大槌町にボランティアとして参加したときの感想を綴った手紙です。
当時の原文まま、備忘録として掲載します。
プロローグ
まず初めにどうして大槌町へ行くことになったかについて触れておこうと思います。
少し長くなりますが、私の気持ちの心の変化を知っていただくことが、一番伝えなければならない内容だと思いますので、お付合い願います。
(さらに…)
YAMAHA YZ125 エンジン分解しているところをYouTube動画にしてみました。
ブログにも書きますが、解説・考察も喋ってますのでお時間あれば動画もどうぞです。
お得意様からYAMAHA YZ125のエンジンオーバーホールを依頼されました。
腰下だけ分解整備を依頼されましたが、よくあるパターンです。
腰下の分解は特殊工具なしでは難しいため、腰上のピストン交換くらいは自分でするって方も持ち込まれる場合が多いですね。
さてこのエンジン、実は分解するのにとっても苦労しました。
なかなかクランクケースが割れなかったんです。
本来であれば特殊工具を使用すれば比較的すんなり割れるのですが、押しても引いてもダメ。
無理するとアルミケースは簡単に歪んだり割れたりするので根気よく少しずつ分解しました。
分解してみると、サイドベアリングが完全にケースに焼き付いてる状態。
なんでこんなことに?
ここから先は推測ですが、こんな理由が考えられます。
まずエンジンオイル(2サイクルオイル)の問題。
お客さんに聞いたところ、けっこう良いオイルを使っていました。
もしかしたら本来だったら焼き付きを起こすくらいの状況だったのが、そのオイルの力で何とか持ち、ベアリング周辺の温度が上昇しケースに焼きついたとも考えられます。
社外チャンバー使って、ビンビンに高回転使った走り方でしたので、純正オイルだったらダメになってたくらいかもです。
さらに言うと、良いオイルの中には燃焼を促進させる添加剤が入っている商品もあるそうなので、燃焼温度も上がり、さらに焼き付いた。
そのうえさらにはオーバーホールサイクルの問題。
やっぱり少しでも長く使いたい気持ちは分かりますが、伸びればそのぶん負担はかかり、これまた部品の焼き付きになります。
そんな感じの理由でこうなったのかと。
あくまで推測ですが、おおむねそうだろうというのを予測して次に生かさないとまた発生しては大変ですので。
やっぱりこういった見立てができて、やっと整備をしてるって感じですね。
分解もさることながら、こういった見立てを聞いてみると、メカとしてのスキルが分かっておもしろいですよ。
竜輔
スバル サンバーさんの中古車販売をしました。
お客様がこの車が欲しいと他店在庫を指名してくださいまして、その店舗さんと交渉して譲って頂きました。
本当は自店で販売をしたほうが売上も上がるし、顧客としてその後もメンテナンス等の需要を確保しやすいので嫌がる店舗さんも多いです。
こうして譲っていただける店舗さんには感謝です。
では中古車屋さんで販売しているもの、しかも今回の場合で言うと買いにいける範囲のお店にあるのにそこで買わない理由はなんでしょうか?
お客さんのそれぞれの理由はありますが、一番多い理由で言っていただけるのが安心感です。
「やっぱりこれから乗る車を安心して乗りたいから、いつもお願いして信頼してる人にみてもらいたい」
ということを言ってくださる方もいます。
ありがたいはなしです。
また現実的にトラブル予防でご依頼される方もいらっしゃいます。
一部の中古車販売店には出来るだけ利益を確保するためにギリギリの内容の整備しかしない店舗もあります。
特に安価な価格帯の車はその傾向が強く、実際に修理に持ち込まれる車を見ても、もう少し処置を早めにしておけば安価に出来た修理もあったりします。
中古車屋さんには適正価格で良い本体を販売してもらう
整備屋さんで適切な整備を適正価格でしてもらう
そうすることで上手くやればコストも抑えながら、整備もしっかりとして安心して乗ることが出来ます。
軽研磨をしてコーティングをして仕上げました。ピカピカになり、まだまだ頑張ってくれそうです!
中古車というのは、どこまでいっても中古です。
新品ではありませんので、どんなトラブルがいつ発生するか分かりません。
新車であればメーカー保証がありますが、中古車には基本はありませんし、あっても保証がすることで少なからず販売店にとっては損失になります。
販売時に保険タイプの保証をつけるにしても掛け金分は販売価格があがってしまうため万人向けではありません。
それに保険タイプでも保険会社が、販売店の実費なら販売店が保証かどうかを判断します。
出来ることなら支払いたくない立場の人が、果たしてどこまでやってくれるでしょうか?
そうなってくると、結局は最後に頼れるかどうかは「人」だと思います。
中古を購入する場合は、何かあったときにこの人なら何とかしてくれる、この人なら大丈夫と思えるとこで買うことが幸せの秘訣かなと思います。
それと極論ですが、壊れるものくらいの心の余裕はあったほうが良いかもしれません。
良くも悪くもイロイロなモノの性能が向上してきて、それによって人間が求めるレベルも上がりすぎてしまったかもと最近思います。
何でも求めすぎると、それに答えるだけのコストがかかってきますし、それを値切れば必ず騙しにあいます。
もっと良い意味で緩く、人やモノを許容できるようになりたいもんです。
竜輔
ホンダのCB400さん、オイルとオイルフィルター交換をしました。
いわゆるヨンフォアと言われる、初期モデルですね。
比較的まだ純正部品が手に入りやすいのと、社外品もいっぱいあるため維持は比較的しやすいです。
自分の覚え書きとして、パーツリストを品番が見れるように残しておきます。
注:オイルフィルターを頼むと品番統合があり、Oリング付きできます。
竜輔
よくある質問で
「スクーターの何か安い中古ありません?」
というのをよく聞かれます。
なので今回は中古スクーターのリスクについて話そうかと思います。
最近は10万円以下で乗れるような中古スクーターはまともな店舗ではまずないはずです。
何故かって?
そりゃ普通に商売してたら、お客さんのことを考えると店頭に並べるのが難しいからです。
①まず値段があわない
仮に10年前の原付の本体を4万円で仕入れてきたとしましょう。
タイヤやブレーキの消耗品を交換して、痛んだ外装を交換して、エンジンオイルなどの定期交換部品を取り替えてってします。
程度にもよりますが、4万円かかったとして8万円の原価となります。
そこから利益を3万円仮に頂いたとしましょう。
そうすると本体価格で11万円の原付中古が出来上がります。
今現在の新車で販売されている原付スクーター、スタンダードなタイプであれば定価で155,000円です。
何年も前の中古バイク、しかも誰がどういった乗り方をしたかも分かりません。
車と違って車検もないためメンテナンスをどんな風にしてくれてたかも分かりません。オイル交換をしてくれてたかも分かりません。
もちろん納車整備のときにチェックは各店舗さんでしてくれてるでしょうが、機械はあくまで機械。いつどんなトラブルが起きるかまでは予想出来ません。
上のバイクみたいにエンジンとかが見えていれば見てわかる部分も多いですが、スクーターになると外装のカバーさえ新しければ新品同様になります。
お客さんから持ち込まれたスクーターの修理をしていると、そうやって見た目だけキレイになったスクーターのトラブルなんて一杯あります。
これが本体価格が高い車とかであれば、同じ値下げ率でも310万が220万です。修理するのにそんなに原価もかからないでしょうから実際はもっとお手頃な値段になるでしょう。
中古の原付が割高な気がしてきませんか?
②中古になる車両が圧倒的に少ない。
今度は中古になるためには新車がどれくらい売れているのかみてみましょう。
例えば18歳の息子さんのスクーターを探している45歳のお父さんという想定で考えてみましょう。
そうするとお父さんが原付に乗ってたであろう1990年は年間販売台数は121万台。
2018年で14万台ですから、1/8以下になってるんですね。
そら中古市場に流れるスクーターも少なくなります。
さらに平均的な乗り換えのペースも5年ほどが主流だった時代から10年以上になっている昨今では中古スクーターはさらに少なくなっていくのです。
中古スクーターが稀少な乗り物になってきているのが分かってもらえますでしょうか?
③今時のスクーターは昔よりも過酷
2サイクルエンジン。ちょっとバイクに詳しい人であれば聞いたことあるんじゃないでしょうか。
一昔前の原付スクーターといえばこのエンジンが主流でした。
軽量コンパクトでパワーも出るので原付にもってこいだったのですが2000年頃を最終モデルに消えています。
排気ガスなどの環境規制値が厳しくなったことが原因です。
そこから4サイクルという車でも主流となっている比較的キレイな排気ガスにしやすいエンジンに変化していきます。
しかしそれからも定期的に排気ガス規制は強化され、どんどん原付に厳しい状況になっていきます。
排気ガスをキレイにするということは、単純なイコールではないですが、簡単に言うとパワーが出しにくくなります。
最初に説明した2サイクルエンジンの時は余裕をもって6馬力以上あったエンジン。今では厳しい排気ガス規制のなか頑張って頑張って4馬力くらいです。
これは50ccの原付スクーターのピストンと250ccのバイクのピストンの比較です。
こんなに小さいピストンが必死で頑張ってるのが今の原付スクーターです。
原付スクーターが80kgを50ccで動かす。
軽自動車が800kgを660ccで動かす。
いかに過酷な環境で今の原付たちが運用されているか分かるでしょうか?
しかも原付の設計はあくまで30km/hの制限速度で走ることを考えています。
さて実際はどうでしょうか?これだけでも負担が増えそうですよね。
他にもイロイロありますが、そんな理由から積極的に原付の中古はオススメしてません。
特に通勤や通学で使うのであれば何かあったときに失うのはお金だけでなく、大切な時間も失います。
原付スクーターを購入される時は、そんなことも考えながら選んでみてください。
竜輔